伝説の観音坐像

花栄寺の本尊様には胎内に観音坐像が収められていることが知られていました。また、この観音像を作ったのは行基菩薩であるこという伝説が残れていま す。 平成23年、本尊様を修復するために内部を点検したところ、坐像が確認されました。行基菩薩が作ったという像は一刀彫であるといわれていましたが、この坐 像は寄木造りでした。制作年代も後生のものと思われます。背中には「海」という字と、その下に一字消えかかった字が認められ、それが何を意味するかは不明 です。お顔立ちが非常に優美で、その他各部分の造形も細やかに作り込みようです。

襖絵・障子絵

襖絵の右下に画師月鱗斎藤原常清が文政9年(1826)に描いたと記されています。焼失した本堂を再建して3年、質素な作風ながら花栄寺に新たな趣 を添えたことでしょう。当時、各地を旅し、お寺や庄屋で逗留しながら絵を描いて生活した絵師たちがいました。作者の藤原常清もそのような絵師の一人であっ たのかも知れません。

天井絵

本堂の奥まったところに花栄寺本尊様・聖観世音菩薩の坐像をお祀りしています。その観音さまのいらっしゃる所から天井を仰ぎみると、獅子の絵が格子 状に並んでいます。普段はあまり覗き込むことがありませんが、照明を灯すと一辺30センチくらいのマスの中に36体の獅子たちさまざまなポーズをとってい るのを観ることができます。威嚇するような姿のものもあり、どこか愛嬌のある姿のものもあり、一体一体異なる姿勢で睨みを利かせています。

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