ピーマン

ご近所のお檀家さんからピーマンをたくさんいただきました。
とても大きな、形の良い、ぷりぷりした、香りのよいピーマンです。
天気の良い朝、額に汗の粒を浮かべながらそのお宅のお母さんがお寺にやって来ました。
とてもうれしそうに、「方丈さん!」と口を開きました。
「うちの息子が作ったんですぃね。」地元の言葉にぬくもりを感じます。
いとおしそうに、ビニール袋一杯のピーマンを見せてくださいました。

その方の息子さんは、体の調子がすぐれず、仕事に就くことが出来ないまま数年を過ごしておられました。
それが今年に入って、自分から何かを作ってみるといったのだそうです。
どれほど手をかけて育てられたのだろう。
まことに立派なピーマンが採れました。
ご両親から栽培方法を習うのではなく、
独学で本を開きながら育てたのだそうです。

そのお宅は先祖代々農作物を育てて生計を立ててこられた家です。
DNAのなかにセンスと技が脈々と受け継がれることを目の当たりにした思いです。

早速お昼のおかずに、ありがたく、ありがたく、頂戴いたしました