チャレンジするということ

子育てを応援する趣旨のテレビ番組を見ていた。
1歳8カ月のお子さんとご両親が出演していた。
お母さんには悩みがある。
1歳8カ月の子どもさんが消極的である、というのだ。
もっと積極的に、自分で行動してほしい、
チャレンジしてほしい、というのがお母さんの願いであった。

お母さんの求めるチャレンジとは、
自分で着替えをしたり、
初めて会う子どもとお友達になって一緒に遊んだり、
食事を自分から食べたり、
ということなのだそうだ。
そういうことが「なかなか自分でできなくて。。。」
ともどかしそう。

心配ないですよ。おかあさん。
大人の考えるチャレンジとは違いますが、
1歳8カ月の人生は、チャレンジだらけです。
風が吹けば、その圧力や音に負けまいと泣き、
知らない顔が近づいてきたら、警戒信号を発信しながら敵か味方か見定め、
暑さを知り、寒さを知り、不快であるかどうかを知り、
それらの感覚をもっとも信頼のおける存在である養育者に伝え、
やがて知ることになる自己を少しずつ発揮し始める。
そういう、チャレンジの世界なのです。

まだ着替えもうまくないし、
食べこぼしもあるし、
大人のリズムなんて考えもしないし、
大人から見たら、心もとないと感じることもあります。
でも
本当に心もとないのは大人自身なのではないかしら。
本や口コミやネット情報というものがたくさんあって、
自分の内に秘められた力を信じきることができなくなっている。
あるいは
自分の外側に巨大な世界があって、
その世界の中で自分はちっぽけな歯車の一つにすぎない、
そんな風にしか自分をとらえることができなくなっていないか。

それが余計な勘ぐりであればよいのだが。

生きとし生けるものが幸せでありますように。
生まれ来る子どもたちが健やかでありますように。

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